2010年1月13日水曜日

大統領に殺されるとの言葉を残して射殺された弁護士の死は自作自演だった?

中央アメリカにあるグアテマラは、独立以来なにかと内紛のある国で、現代になっても、1960年代から始まった内戦がなんと1996年まで続いていました。このような状況もあり、グアテマラは現在も、治安の悪さ、貧困、貧富の格差、汚職といった問題に苦しんでいます。

昨年、そのグアテマラで、大きなスキャンダルが発生しました。何者かに射殺された弁護士が、射殺される前に「私は大統領とその側近に殺されるだろう」と訴えるビデオが現れたのです。

この弁護士の死後しばらくして、「大統領に殺される」と訴えるこのビデオが出回り、グアテマラでは大きな混乱が発生しました。いかに治安が悪く汚職がはびこっているとはいえ、選挙で選ばれた大統領が殺人に関わっているという疑惑が持ち上がるというのは大ごとでした。大統領の反対派は責任を取って辞任すべきと大統領に迫りました。そして、大統領の反対派と擁護派のそれぞれが大規模なデモを繰り返す事態に陥ったのです。

大統領はこの疑惑を完全否認し、FBIや国連機関に全面的な捜査を要請するとしました。そして最近、国連機関による捜査結果が公表されました。それによると、なんとこの弁護士は、自分で殺し屋を雇って自分自身を殺させたというのです。

[BBC News] Guatemala President Alvaro Colom cleared over murder

報告によれば、弁護士は、親族を経由して殺し屋に連絡を取り、自らを殺させたそうです。ただし、この親族は、殺害対象が弁護士自身であったことは全く知らなかったとのこと。事実だとすると、なんだか推理物のドラマやアニメにありそうな手口ですが、現実に起こったと思うと怖いものがあります。

気になる動機ですが、記事を読む限りではちょっとよく分かりません。大統領は、弁護士に捜査の手が伸びていたために取った行動ではないかとの推測を話していますが、本人が死んでしまった以上、本当のところは分からないのかもしれません。グアテマラを揺るがしたこの問題、これにより決着となるのでしょうか。

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