2010年1月10日日曜日

母乳のメリットは強調されすぎているかもしれない

母乳は、乳児の成長にとってよいものとされています。母親と子供の双方の健康にとって有益で、それは、授乳後にも影響を与えると言われています。なので、「可能であるならば、乳児は母乳で育てた方がいい」とは、子育ての現場でよく耳にする忠告ではないでしょうか。数年前に初めて父親となった私も、そのようなアドバイスを妻が受けるのを何度も耳にしました。

しかし、そのような母乳のメリットは、過大評価されすぎているかもしれないということを示唆する研究結果が記事になっていました。

[BBC News] Hormones 'govern ability to breastfeed'

母親の母乳が出るかどうかは子宮のホルモンバランスと強い相関があり、母乳で育つ子供の健康面での強さは、母乳そのものではなくこのホルモンの影響によるのではないかとのことです。つまり、ものすごくざっくり言えば、丈夫な子供を授かったら母乳が出やすいということであって、母乳を与えるから健康に育っているわけではないのでは、という話のようです。

180人の母子を調査し、また、既存の約50の研究を再評価した結果このような結論に至ったということで、それなりに信ぴょう性があるのではと感じます。まぁ、もちろん、私は全くの素人ですので、この分野における研究のサンプル数として、この数がどの程度のものなのかはよく分かりません。したがって、「それなりに信憑性がある」というのは完全に印象論なんですが。

記事中に出てくるノルウェーの研究者は、「母乳が与えられなかったとしても、母親が自分を責める必要はない」と言っています。母乳そのもののメリットは限定的だというこの仮説にどの程度の妥当性があるかはさらなる研究が必要なのでしょうが、研究者のこの言葉には強く共感します。子育てに関する助言って、あまりにも色々あって、正直なところ、いちいちそんな話を聞いていられなくなりますし、もしその結果として自分を追い詰めてしまう親がいたら、それは不幸なことだと思います。

いや、ほんと、子育てって大変ですよね。どうすればいいのかと未だに悩む日々ですが、正解なんて無いし、仮に正解だと言われていることがあっても十年後には不正解と言われているかもしれないと考えて、自分たちを信じるしかないと思います。

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