2010年2月3日水曜日

コンコルド墜落事故に関する初の裁判がフランスで始まる

2000年7月、超音速旅客機コンコルドが離陸直後に炎上しそのまま墜落、乗員と乗客の109名に加え、墜落場所にいて巻き添えになった4名を合わせた113名もの死者を出す大惨事が起きました。当時、事故のニュースは世界中に流れ、大きな関心を呼びました。

そして最近、この事故に関する裁判がフランスで始まるとのニュースが流れました。

Concorde crash manslaughter trial begins in France

あれからもう10年近くもたったのですね。事故発生当初は、事故原因についていろいろな憶測が飛び交い、コンコルドの安全性に対する疑念の声も上がったりしたのですが、その後の調査でおおよそ原因が明らかになりました。

公式な調査結果によれば、墜落したコンコルドと同じ滑走路から直前に飛び立ったコンチネンタル社のD-10の機体から、43cmほどの長さの金属片(棒?)が剥がれ落ちたのがそもそもの発端とのこと。それに気づかないままコンコルドは離陸しようとし、運悪くその金属片を踏んでしまってタイヤが破裂、その破片が燃料タンクを直撃して破損し引火、この悲劇に繋がったと結論付けました。そうだとすると、事故の主因はコンコルドではなくコンチネンタル社のD-10ということになります。

この墜落事故により(少なくとも事故直後は)コンコルドの安全性に疑念が持たれてしまいました。もともと採算が悪かったのに加え、その後に起きた911同時多発テロによる国際的な航空不況も重なり、世界唯一の超音速旅客機コンコルドは2003年にその運航を停止してしまいます。

上記の記事によれば、今回の裁判では、コンチネンタル社の整備エンジニア2人に加え、コンコルドの元技術責任者2人と航空局のスタッフが過失致死の罪に問われているそうです。ちなみに、コンチネンタル社は破片を踏んでタイヤが破裂したのが原因という見方を否定しており、タイヤの破裂の前に既に燃料タンクから火が上がっていたと主張しているとのこと。また、コンチネンタル社のエンジニアを含めて全員が罪を否認しているので、裁判は激しいものになるかもしれません。なお、遺族の大半とは示談が成立しているようで、裁判に出席する遺族は一部に限られるようです。

いずれにせよ、100名以上の死者を出す悲劇となったこの事故について、亡くなられた方のご冥福をあらためてお祈りするとともに、さらに真実が明らかにされることを望みます。

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